翌日要塞教会を見下ろす小高い位置に座し描くことにしました。描き始めて10分も経たないうちに、近隣の子供たちが蜘蛛の子のようにやって来て、物見高くぐるり私の周りを取り囲み、描いている方向にも立ちはだかりました。しきりに追い払おうとすると、その中の年長者が俺に任せりと言わんばかりに群れを制御し始めましたが、全く効果なし。中で靴を履いているものは3〜4名（多分ドイツ系），あとはルーマニア系かロマ族で裸足で貧しい身なりでした。画材の筆には触り、パレットの色には指を突っ込んだりと、いくら追い払ってもやりたい放題。盗まれた物が無かっただけ幸い。それにつけても人種や貧富の差を超えて、彼らが一緒に遊んでいるのが救いでした。あれから10年以上経ちましたが、物的豊かさや貧富の差はそのままだと思われます｡(2023-8-19載）