2022 春爛漫 |
主観・客観 |
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コロナ禍が発生する以前に、摂津室津港にスケッチに出かけた。漁港は活気を帯びていた。湾の向かいに小さな造船所が見えたので、ずっと廻ってその裏まで行くと戸口が開いていた。この写真ではさほどではないが真っ赤な錆色の造船所から春の海が望めた。赤錆の印象は強く、ここで私はスケッチを残し(今見つからない)、のちに油絵にまで仕上げた。 この日の思い出記録として私は「錆色の造船所から春の海」という句を残した。昨春入った結社に投句したら「春潮や赤く錆びたるぞ造船所」と添削されて句報に載った。師は「から」をどう捉えたのであろうか? 遠景となった造船所からは、あの時私が抱いた造船所内の雰囲気は消えてしまった気がする。自分のための一行日記に対し、他人に評価されることを意識する結社の作句との違いを感じた。(2022-4-22載)
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