この地　板屋には、英人捕虜で病気死亡のため帰国で出来なかった16名が「ROLL OF HONOUR」として名前と共に慰霊されている。昭和30年前後には英国から数名の生存帰国者が来日し、恩讐を越えて友好親善を果たしたそうだが、双方とも高齢化し永くは続かなかったよう。私も戦時中　捕虜が道路や河川工事をしているのを目にしていたが、いかにも捕虜然としていた。ところが終戦の翌日（あるいは翌々日？）には軍靴も磨いた彼らが隊列を作り口笛を吹いて村道を堂々と胸を張って行進しているのを見て目を見張った。「希望」が一日にして人間をかく迄変えるのか････6歳にして感得した哲学的体験だった。その後イギリスの飛行機が低空で飛んで来て物資を落下させた。数日後10数台のトラックを連ねて、彼らは車上からチョコレートやタバコを振り撒いて村を去った。(2021-9-1載）