2021 残暑 |
玉音放送を聞いた辺り |
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熊野の旅回想続き。住んで居た家の東にこの曹洞宗の慈雲寺があった。この寺寄りの草地に大人は机を持ち出し白い布を敷きラジオを載せた。もともとラジオの性能は低く、加えて山間部で電波状況も悪く、雑音ばかりで話の内容は全く分からなかった。だが敗戦したのだと大人から知らされた。この春に 兄は木之本中学に編入学しその寮で生活していた。授業は殆ど行われず、毎日松根油掘りに勤労動員されていたという。その兄が土曜の午後には4時間の山道を歩いて来て家族に合流し、日曜の午後遅くまたその道を帰って行った。すべてが厳しい時代だった。回想の旅で寺の住職を訪ねてみた。寺は世襲ではなくあれから3代目の住職だったが、高齢化・過疎化した村の厳しい現状を話してくれた。(2021-8-28載)
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